山王総本宮
日吉大社は、霊峰比叡を背にして、びわ湖を一望できる絶景の地にひろがりをみせています。その広大な神域は、うっそうたる樹林におおわれ、多くの社殿とともに神々しい雰囲気をかもしだしています。それは、古くから日吉大社の境内そのものが神々の鎮座される唯一の社として祀られてきたからでしょう。むかしから、境内鎮座社は108社といわれてきたほどです。
現在では、日吉大社の社殿のほとんどが、国宝または重要文化財に指定されており、貴重な文化遺産として保護されています。また、神代から伝わる神社史をこもといてみても数々の歴史遺産を知ることができます。
こうして、われわれ現代人に温故知新の尊さを教え、古くから厚い信仰にささえられてきた日吉大社は、神々の偉大さを顕現するかのように、いろいろな信仰の形が伝えられ、いまも残っています。
魔除けや厄除け、鬼門除けの信仰は、京都御所の鬼門・猿ケ辻や江戸城(今の皇居)の鬼門・赤坂などの守護のあらわれであり、また、日枝神社や日吉神社は、全国各地の城郭の鬼門を守護する意味で祀られたという歴史もあります。
また家内安全の信仰は、『日々吉(ひびよし)』とする日吉大社の社名にもあらわれていますし、商売繁盛の信仰は、『日本三大大黒』と称される当社の西本宮御祭神に仰ぐことができます。
一方、日吉大社の歴史は、古く神代、奈良、平安、鎌倉、室町、安土桃山、江戸と続く各時代の胎動・発展期に深くかかわってきました。室町時代の強訴の神輿や信長の比叡全山焼討ち、秀吉の日吉三橋寄進、家康の東照宮建立など、枚挙にいとまがないほどです。
四季それぞれの情趣あふれる、美しい境内、なかでも新緑のかがやきと錦秋のあでやかさは見事というほかありません。心に活力やすらぎを受けるとともに、古きを感謝し、新しきを祀る神々の国が日吉大社です。
楼門の四隅の棟木に神猿の木像があります。四方魔除けの猿、棟持ち猿と呼ばれ、一家の四方の魔を祓い去ることによって棟木が上がる(繁栄する)ということを教えています。日光東照宮の三猿の親猿でもあります。 4月14日の山王祭には、重厚さと大きさを誇る神輿が七基拝殿におさまります。豪壮な祭典の檜舞台となる建物です。
本殿は日吉造または聖帝造といわれ、国宝に、拝殿と楼門は重要文化財に指定されています。御祭神は大己貴神(日吉大黒)、深緑と清流に囲まれた荘厳な神域は、全国に3800余の分清霊社をもと総本宮にふさわしいたたずまいをみせています。
寛永11年天海大僧正が日光東照宮のモデルとして建造した、近世霊廟風の華やかな建造物。全体を朱と黒でつつみ、斗や長押には極彩色の文様を施し、
外周りは金箔地に壁画を描き、飾り金具をたくさんつけたその威風は、徳川霊廟建築の根本をなしたといわれます。
豊臣秀吉の寄進によるわが国最古の石造建築物で清流大宮川に架かる大宮橋、二宮橋、走井橋を『日吉三橋』と呼びます。いづれも重要文化財に指定され、新緑と紅葉期には大自然との見事なコントラストが好評です。
熱気あふれる人々と七基の神輿がくり拡げる絢爛の祭絵巻、日吉山王祭。それは重量
1.5t以上の各神輿が、人々とともに神域から湖上へその華麗な姿を躍動させる、まさに雄壮美と伝統美に彩 られた大祭典です。本祭は毎年4月12日・13日・14日にそのクライマックスを迎えます。
所 在 地 | 〒520-01 大津市坂本五丁目1-1 |
電 話 | 0775-78-0009(代) |
拝 観 料 | 大人 300円 小人 150円 |
駐 車 料 金 | 無料 |
当館からの所要時間 | 車 7分 |
■交通のご案内
○JRご利用の場合 JR湖西線比叡山坂本駅下車・徒歩10分
○京阪電車ご利用の場合 京阪石坂線坂本駅下車・徒歩5分
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国道161号線より約3分